5月1日(木)、2日(金)にかけ、事務局では群馬県内の様々な支援機関やプレイヤーからお話を伺う視察を実施しました。
1日目は渋川市の伊香保温泉へ向かい、ぐんま地域共創パートナーズ(GRASP)が出資した、「IKAHO HOUSE166」へ。こちらは推定築100年以上の旅館をリノベーションし、飲食店や土産物屋、地域おこし協力隊の活動拠点として活用されており、GRASPのほか周辺地域のキーパーソンが出資するまちづくり会社によって運営されています。

現地では、GRASP取締役 地域共創事業部長の鈴木理人さまにお出迎えいただき、「IKAHO HOUSE166」館内や伊香保の概況について説明いただいたあと、GRASPが手掛けるファンド事業についても説明をいただきました。
鈴木様からはゆくゆくは資金を集め県内各地の観光地へ総合的にアプローチし、関係人口の増加や地域住民のシビックプライド向上を通じ、持続可能な観光地の実現をめざすGRASPの思いを聞かせていただきました。連休の中日とはいえ、伊香保は夕方まで多くの若い方々で賑わっており、観光地のポテンシャルを感じました。

2日目は沼田市に移動。一般社団法人ちもり 理事長の六本木ユウジさまを訪ねました。六本木さまは沼田市出身。一旦海外に出たものの、現在は「やま・さと・まち」の活性化に関わるプロジェクトデザイナーとして、前橋や高崎から東京やソーシャルへ出ていくのではなく、「地続き」にやっていく活動を重視しているそうです。
今後は、群馬県庁の運営する「ぐんま山育DAO」へ参画。低未利用の山を利用した自然派ワインの山地を目指す活動を始めます。六本木さまの理想とする、「垂直ではなく、丘のような、斜めのゆるやかな関係性が大事」という言葉は、ぶどうの育つ沼田付近の緩やかな自然を想起していらっしゃるのかもしれません。
続いて、六本木さまのオフィスをお借りしながら、群馬県 知事戦略部 デジタルトランスフォーメーション課 次長 宮下智さまらのお話を伺いました。
同課は、群馬県庁32階に2020年にオープンした官民共創スペース「NETSUGEN」を運営。コワーキング、コーディネート、イベントの3つの機能と、その上手なチームビルディングについての工夫などを伺いました。会員の方々の中からは自主的にゴルフやランニングなどの部活も生まれているとのことで、活発な交流の一端を伺うことができました。

最後には、沼田市 総務部 企画政策課 主査の小林正樹さまから、利根沼田地域定住自立圏構想における中心市の役割や、共有財産をいかに上手にシェアするか、等についてのお話を伺いました。

沼田を後にし、視察の最後は前橋へ移動。前橋市 産業経済部 にぎわい商業課 商業振興係 副主幹の田中隆太さまから、前橋の中心市街地の取り組みについて、実際に街中を案内していただきながら紹介いただきました。

田中様のもうひとつの肩書は「マチスタント」。まちのアシスタントという意味で、主に遊休不動産・人的資源と、まちなかで何かやってみたい人をマッチングする取り組みの主役。前橋は株式会社ジンズホールディングス(JINS)創業の地で、同社がサテライトオフィスやコミュニティ施設を次々と建設し、面白い街に変貌しつつある場所です。

街歩きをしていると、店の中から、すれ違う人から、多くの人から声をかけられる田中さま。街の皆さんに親しまれ、また信頼されていることがよく伝わってきました。
TAMA-SILの活動でも参考にできる事例やヒントを沢山いただけました。群馬県の皆様、ありがとうございました!